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TIMEMARKET198号/インタビュー記事

TIMEMARKET198号に掲載された新作アルバム「ぼくエイリアンなんだ」のインタビュー記事です。






●いつから取り掛かっていた作品ですか?

ユウスケ/3年以上前から録り始めててすぐ出そうかなと思ってたんだけど、子供が生まれたらやっぱり何かと忙しくなってしまって、そうこうしてると奥さんが病気になって…闘病中は看病のことでいっぱいでした。結局奥さんは亡くなってしまったので、なかなかレコーディングできるような心境にはなれなかったです。

●かなり空白期間があったのですね。

ユウスケ/全然手を付けてない期間がありました。シングルファザーになってしまったから子育てに懸命でしたし。だから、合間に時間を見つけながら、ようやく出来た感じです。ここ3年ちょっとの間の喜怒哀楽が全て詰まってるような作品になりました。時間はすごくかかったけど、今できるべくしてできた気がします。

●制作期間がユウスケさんの人生で最も色々な出来事があった時期と重なりますよね。

ユウスケ/アルバムに入ってる曲も子育ての合間にレコーディングした曲や奥さんの闘病中に録音した曲だったり。南米旅行中に作った曲なんかもあるし。歌の中にメッセージを込めるとか苦手だけど、アルバム全編通して生命力みたいなものを感じてもらえるといいなと。最後に収録してる「ゆめのつづき」という曲は奥さんが亡くなった後に彼女に捧げるような気持ちで作った曲です。この曲だけは家で録ったんですよ。空気感が大事だと思って、リラックスして録りました。

●歌ってるんじゃなくて、歌いかけてる感じというか語りかけてる雰囲気が大事な曲だと思います。

ユウスケ/スタジオだと構えちゃうんでね。様々な感情が入り混じってるアルバムです。

●ユウスケさんにとっては、どれだけ時間が経っても曲を作った時の感情が鮮明に蘇ってくる作品になるんではないですか?

ユウスケ/当初考えてたコンセプトとは全然違うものになってきたけど、このアルバムは絶対につくり上げんといかんっていう使命感みたいなものがありました。奥さんも「聴きたい」ってずっと言ってくれてたんで。亡くなった直後はアルバムを作るどころか、もう曲も作れんし音楽とかできんって思ってたけど、その使命感で完成までこぎつけました。

●まさに生活に根ざした音楽ですね。

ユウスケ/基本的には自宅の近くのスタジオで。参加してくれてるミュージシャンの方はその人が普段やってるやりやすい場所に行って録りました。自分が演奏してるギターと歌の部分は一緒に録ることにこだわってやりました。

●弾き語りスタイルで録ってるんですね。

ユウスケ/生々しいライヴ感を出したかったんで歌とギターは別録りではなく、一緒に録りました。ただそれも単純な1発録りっていうのじゃなく、自分が納得できるまで延々と同じ曲をやり続けましたね(笑)3~4時間スタジオ入って1曲も終わらない時もあったし。

●もし知らない人が見てたら狂人の域ですね(笑)

ユウスケ/ひたすら同じ曲をやり続けるとその曲の本質みたいなもんがみえてくるんです。こう歌ってほしいんだろ?みたいな。1人でやるレコーディングに関してはとにかくストイックに取り組んでました。自分の歌とギターが録り終わった後は、曲によって参加してほしいなってミュージシャンにお願いして音を重ねてもらいました。みんな快く引き受けてくれて嬉しかったです。パニックスマイルの吉田さんに関しては、僕のアルバムはすでに録り終わってると思ってたらしいんだけど、僕がいつまでもレコーディングしてるもんだから「じゃあ俺も参加させてよ」って声かけてくれて。急遽演奏してもらったんですけど、そのおかげでアルバム全体がギュッとしまったものになりました。曲の1部分だけだったけど、そのためにギターに10台くらいエフェクター繋げて、すごいキレッキレの演奏してくれて。それを最後に録ったんですが、足りなかったピースが全て埋まったような気がしました。

●サノさんのボンゴも曲にすごく合ってて素晴らしかったです。

ユウスケ/ギターのリズムに合わせるんじゃなくて歌に合わせるというか、一緒に歌ってるような感じなんですよね。じつは僕、20歳くらいの頃は普通のラヴソングとか歌ってたんですよ。でも、何か自分でもモヤモヤしたもんがあって音楽止めようかなって思ってたんです。その時にアルバムにも入ってる「SOS UFO」という曲ができて、「これが俺のやりたかったものやん」って思ったんです。で、もしこれがウケんかったら音楽やめようと思ってライヴに出たらすごく反響があって。ライヴの後に帰りのバス待ってたら女の子が走ってきて「あの曲良かったです!」って言ってくれたんですよ。目をキラキラさせて。その時は知らなかったんだけど、その女の子がサノさんだったんです。そういう縁もあって今回参加してもらいました。あと、美和子ちゃんはパーカッションのアレンジを「胃が痛くなる位考えた」って。

●(笑)美和子さんはそういう部分に関しては過剰な位に神経を研ぎ澄ましますよね。

ユウスケ/無茶苦茶考えてくれたみたいです。お願いした曲の「肉屋」も、ライヴでやった時に「いい曲ですね」って言ってくれたのが頭に残ってて。この曲にドラム入れたいなって考えた時に一番分かってくれそうだと思ってお願いしました。実際にレコーディングしたら、1発でオッケーだったのでスタジオの時間が余っちゃったからもう1曲即興でやってもらった。それももちろん1発でオッケーでした。gentarowさんは曲の間ずっとヘヴィメタルなギタープレイをやってくれました。めちゃくちゃ格好良かったです。盛り上がりましたよ。1人でレコーディングしてる時はひたすら自分を追い込んでやってるんだけど、他の人の演奏に関しては参加してほしいって人に参加してもらったから、こちらから何も言うことはなくその方の感覚に任せてました。僕はただニヤニヤしながら聞いてるっていう、楽しくて。ずっと1人でやってきたから、他の人とやってるっていうことだけで、すごく嬉しい。バンド経験もほとんどないので、単純に嬉しいし楽しい。

●確かにユニットだったりとかもないですよね。

ユウスケ/即興でドラムを叩いてもらったりとかはあるけど、バンドとして活動したことはないので。人に指示したりすることが苦手なんですよね。協調性がないというか。一人でステージに立つって逃げ場がないですよね。だからこそ説得力がある気もするんです。きっと性に合ってるんでしょうね。でも何度か「1人でやるのは限界なんじゃないですか?」みたいな話をされたことがあるんだけど「そんなことない、まだやれることがある」と思い続けて今までやってきました。

●1つのスタイルを究極に突き詰めていくというのは、兄弟のボギーさんと共通する部分ですよね。

ユウスケ/あぁ、そういうとこは似てるかも。ただ他にバンドも同時進行させたりとか、そういう器用なところはボギーとは違いますね。僕は本当に1つのことしかできないんですよ。車の運転も、信号見てたら歩行者見てないし、歩行者に気を取られたら信号を全く見てないし。だから今だにペーパードライバーです。ただ、1つのことに対する集中力はすさまじいと思います。

●それがこのスタイル、ソロなのに破壊的なまでのスタイルに行き着いたんでしょうか?

ユウスケ/そうかも。打ち上げで三上寛さんが言ってたのは「突き詰めて行けば突き詰めて行くほど、世界は狭まるんじゃなくて逆に世界が広がる」って。それはすごくよくわかる言葉だなと思います。突き詰めて行く作業って自分の殻に閉じこもっていくんじゃなくて、どんどん内に広がる世界を掘り進んでいく感じがするんです。

●それは突き詰めることで目の前の壁を壊していくということなんですか?

ユウスケ/うん、そういうことでもあるのかな。1曲作ると真っ白になるんですよね。もう次の曲できないだろってくらいその時の感情の全てを詰め込むから空っぽになる。でも、それよりもいい曲がまたできたりする。それの繰り返し。

●曲ができるペースはどれくらいなんですか?

ユウスケ/今は1年で1曲。演歌歌手みたいな活動ですよ(笑)でも、そうして作った曲だからどれだけ時間がたっても歌っていける。20代に作った曲でも、古いとか新しいとかを超越した感情で演奏できる。

●ライヴでステージに立つというのは好きですか?苦手ですか?

ユウスケ/あ~、好きなんやろうけど…好きなんやろうけど…う~ん、子供の頃は人前に出るとかは絶対しなかった。ただ人を笑わせるのはずっと好きだった。その延長線上なのかも。ライヴにしても常に考えるのはエンターテイメント。お金払って見に来てるお客さんを喜ばせる、喜んでもらいたい。そしたら自分も盛り上がれるし。ステージに立つというのはお客さんを喜ばしてなんぼです。

●やっぱりエンターテイメントということでのプロ意識があるんですね。僕が知ってるミュージシャンの中でもステージの上と下での印象の落差がこれほど大きい方もいないので、ずっと聞いてみたいことでした。ステージに立つのが好きなのかもしれないけど、得意ではないのかもしれないと。

ユウスケ/表現の方法は歪んでますけどね(笑)確かに得意ではないかもしれないです。スピーチとかでステージに上がるのは苦手だし。

●ステージ上では演じてる感じですか?

ユウスケ/本当の自分ではあるんだけど、別人格みたいな感じでしょうか。

●ボギーさんもエンターテイメントありきなんだけど、もっとナチュラルというか。ボギーさんは自分が楽しむことでエンターテイメントを作り上げるプロで、ユウスケさんはステージの自分を作り上げることでエンターテイメントさせるプロ。

ユウスケ/そういう感じの違いはよくわかりますね。その通りかも。県外にライヴ行っても観光とかできないし、自分のライヴが終るまではその場を素直に楽しめない。ずっとギラギラした緊張状態が続いてるんで、おいしいもの食べに行こうとかって発想にもならないし、そういうのは兄弟で全然違うところですね。それでも昔に比べるとライヴ前の過剰なまでのプレッシャーっていうのはなくなりました。奥さんが亡くなってから復帰するまでの中で、何か大きなものを乗り越えたんでしょうね。いい緊張感はあるけど、それなりにイベントの空気を楽しめるようになりました。

●音源としてはずいぶん久しぶりですよね。

ユウスケ/7~8年ぶり。1年に1曲だから、ちょうどアルバム出せるくらいの曲ができたということかな。曲は全然できないけど「動物大図鑑」の中の漫談っつうかネタみたいなやつはバンバンできますね。

●「動物大図鑑」はあえてライヴ録音を収録してます。

ユウスケ/あの曲はライヴじゃないと伝わらないし、ライヴ見たことない人もライヴの雰囲気を感じてもらえれば、この人の音楽はこんな風に楽しめばいいんだってわかってもらえると思う。

●お客さんの歓声とか野次だったり、そういうのを込みでこそ魅力が伝わる曲ですね。

ユウスケ/ライヴをしながら育ててきた曲だから。元々3分くらいの曲なんですよね。今は10分くらい演奏してますから。俺、ミュージシャンなんかなって思うくらいネタはバンバン出てくる。意外とすぐ出来ます。自転車乗ってる時に1人でぶつぶつつぶやいてたらできてる。多分、あれで本1冊出せますよ(笑)

●放送作家とか向いてるんじゃないですか?

ユウスケ/いや、テレビじゃ放送できないものばっかりですよ。

●(笑)確かに。



取材担当/中村信一朗




TIMEMARKETは九州を中心に配布されており、九州のインディーズシーンの情報が網羅されている数少ないフリー雑誌です。
しかし、16年間も続いたその歴史が7月で幕を閉じます。
とても残念だけど、よくぞ今まで継続してくれたと感謝の気持ちでいっぱいです。
ギリギリで俺も表紙を飾ることができました。俺みたいなミュージシャンを表紙にしてくれる雑誌なんて他にないからね!笑



そして、TIMEMARKETのファイナルイベントが開催されます!


【TIME MARKET FINAL】

@Kieth Flack
福岡県福岡市中央区舞鶴1-8-28
092-762-7733

open16:30
start17:00

ご予約・当日¥1500+1drink order

出演
■1st floor
とんちピクルス
オオクボ-T
ゴトウイズミ
藤井邦博(魚座)
オクムラユウスケ
ぱちゅ〜む
178
ruu217

■2nd floor
VEROCITYUT
ニーハオ!
DODDODO
O菌(marukin)ex.人間
MOTH
folk enough
accidents in too large field
SNOPPY
百蚊
GARORINZ


さあ、盛大に打ち上げましょう!!





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