フェルナンドさん。

ぼくが京都の「観叡荘」というボロアパート(四畳半・共同トイレ・共同コインシャワー)で一人暮らししていた頃、ある一人の男性と出会った。











通称フェルナンドさん。

本名は水谷セージ。

ジョニーデップ似のナイスガイである。











フェルナンドさんは同じアパートの住人で、僕を見るなり突然英語で話しかけてきた。「ぼ・・・ぼく日本人っすよ」というと「なーんだそうなんだぁ!」と、初対面とは思えぬフレンドリーな笑顔で「僕の部屋においでよぉ!」と言ってくれた。

言われるがまま部屋にお邪魔してフェルナンドさんと談笑しているうちに意気投合して、それからはよくお互いの部屋を行き来して遊ぶ仲になった。



フェルナンドさんはとても面白い人だった。



7カ国語を自在に話し、教会でパイプオルガン弾く仕事してるのに、へヴィメタルギターがめちゃくちゃ上手で、何故か太極拳も使いこなす。すごく味のある素敵なマンガも描いてて、特にネコの絵が抜群に可愛かった。

そして、なにより瞳が信じられないほどキラキラ輝いていた。

僕より5歳も年上なのに子供のように純真な人だった。



その頃のぼくは人生で最もどん底の時期で、そんな僕をフェルナンドさんは救ってくれたように思う。

四畳半の部屋の中で七輪を焚いて、モウモウと煙が立ち込める中でネギ焼いて食べたり(危ねー)、アパートの屋上で太極拳教えてもらったり、二人で3時間もカラオケで熱唱したり(フェルナンドさんがへヴィメタ声で聖飢魔Ⅱの「蝋人形の館」を完コピして歌ったのが衝撃的だった)、英語や数学も面白おかしく教えてもらった。時には真面目に愛や宗教や音楽や思想とかお互いの過去や境遇やこれからの未来について熱ーく語り合った。





僕の3rdアルバム「メルボルン特急」ではエレキギターで参加してもらい、奇跡の一発OKで素晴らしい演奏をしてくれたりもした。





ある日、ベッドから落ちて頭を怪我したフェルナンドさんがよもぎをセロテープでおでこに貼り付けていたのには腹抱えて笑った。自家製のホウサン団子でゴキブリを撃退したり、パンツ一枚で近所を歩いてたら警察に怪しまれて殺人事件の犯人と間違われて事情聴取されたり・・・(笑)



とにかく変わり者で、まぎれもない天才だった。



そんなフェルナンドさんが突然「ユウスケ、俺、土地を買って家を建てて世捨て人になるよ」と言い出した。翌年にアパートの取り壊しが決まっていた為だろう。



僕も京都を離れて福岡に戻る準備をしていた。











そして去年の3月、フェルナンドさんとお別れした。









最後にフェルナンドさんは「ユウスケ、もし日本が戦争になったら僕のところにおいで。僕と一緒なら絶対助かるから」と言って、新しい住所を書いたメモをくれた。こんな台詞もフェルナンドさんが言うと不思議と違和感なくとても暖かい言葉として胸に響いた。



やがて月日が流れ、先日フェルナンドさんにお手紙を書いた。

今度の名古屋ライブツアーのついでに京都を観光しようと思ったからだ。

≪とにかく会いたいので連絡ください。≫と手紙に書いた。





そして、昨日、住所不明で手紙が返信されてきた。





連絡の手段が途切れてしまった。

会おうと思えばいつでも会えると思っていたのに、急に目の前をデッカイ扉でふさがれてしまったみたいだ。

寂しい気持ちがドドーッと襲ってきた。





















もし、このブログを見ていたら連絡下さい。

そして、フェルナンドさんを知ってる!という人がいれば教えてください。









obobononioi@hotmail.co.jp

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